J.S.バッハ作曲の無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全6曲。
これほど素晴らしい音楽で、これほど有名であるにもかかわらず、謎に満ちています。
- なぜ無伴奏バイオリンを?作曲の意図は?
- 4重和音とか5つの声部があるが、演奏方法は?
- 6曲の他にも作曲されているのか?
- などなど
では、どうして謎だらけになっているのでしょうか?
それは
- この無伴奏バイオリンの6曲がバッハの死後、偶然発見されたこと
- バッハ自身はこの6曲について何も語っていない、書き残していないこと
によります。
これらの謎について、現在分かっている、あるいは考えられている内容を改めて整理してみます。
また、先人たちの解釈についてもまとめてみたいと思います。
J.S.バッハ

ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(Johann Sebastian Bach, 1685年3月31日(ユリウス暦1685年3月21日) – 1750年7月28日)は、18世紀のドイツで活躍した作曲家・音楽家である。 バロック音楽の重要な作曲家の一人で、鍵盤楽器の演奏家としても高名であり、当時から即興演奏の大家として知られていた。バッハ研究者の見解では、バッハはバロック音楽の最後尾に位置する作曲家としてそれまでの音楽を集大成したとも評価されるが、後世には、西洋音楽の基礎を構築した作曲家であり音楽の源流であるとも捉えられ、日本の音楽教育では「音楽の父」と称された。出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
バッハについては、それこそ膨大な研究や分析がなされていますので、あえてここで重複する掲載はいたしません。
ただ、一点強調しておきたいことがあります。
バッハというとオルガン奏者、宮廷楽長としての肩書があまりにも有名です。
しかしバッハの音楽家としての本格的なキャリアの最初は、ヴァイオリン奏者であったということです。
つまりバッハは、若い頃から
ヴァイオリンの楽器としての知識のみならず奏法にも精通していた
という事実です。
無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全6曲

ヨハン・ゼバスティアン・バッハの作曲した無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータBWV1001-1006は、3曲ずつのソナタ(BWV番号は奇数)とパルティータ(BWV番号は偶数)合計6曲からなり、ヴァイオリン独奏の楽曲として、今日では古今の名作の一つに数えられる。
無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ
この曲には自筆譜が残されているため、作曲年が1720年(あるいはそれ以前)であることがわかっています。
ただし表紙に「無伴奏ヴァイオリンのための6曲の独奏曲、第1巻」と記されていたことが研究者たちの悩ませることになりました。
ソナタ第1番ト短調 BWV1001
パルティータ第1番ロ短調 BWV1002
ソナタ第2番イ短調 BWV1003
パルティータ第2番ニ短調 BWV1004
ソナタ第3番ハ長調 BWV1005
パルティータ第3番ホ長調 BWV1006
各6曲については別途詳細に分析いたしますが、どういう意図から作曲されたものか、
第2巻は存在するのか、どう演奏するのか/すべきか、など多くの謎に満ちているのです。
しかし、その例えようもない素晴らしさは、現代に至っても多くの音楽家のみならず、音楽を愛する人々を魅了し続けています。